海外文学読書録

書評と感想

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ジョン・アップダイク『金持になったウサギ』(1981)

金持になったウサギ〈1〉 (新潮・現代世界の文学) 作者:ジョン アップダイク,井上 謙治,John Updike 新潮社 Amazon ★★★ 1979年。アメリカは第2次オイルショックでガソリン不足に見舞われていた。ウサギことハリー・アングストロームは、印刷工から一転、トヨ…

アルフレッド・ヒッチコック『三十九夜』(1935/英)

三十九夜(字幕版) ロバート・ドーナット Amazon ★★★★ カナダから休暇を過ごしにロンドンにやってきたハネイ(ロバート・ドーナット)が、ミュージックホールで「メモリー・マン」の芸を鑑賞する。するとそこで銃声が。その場にいた女性を成り行きからホテ…

クラレンス・ブラウン『愛の調べ』(1947/米)

愛の調べ(字幕版) キャサリン・ヘプバーン Amazon ★★★ 天才ピアニストのクララ・ヴィーク(キャサリン・ヘプバーン)が、父の反対を押し切ってロベルト・シューマン(ポール・ヘンリード)と結婚する。10年後、シューマン夫妻には7人の子供が出来ており、…

ミゲル・デリーベス『赤い紙』(1959)

赤い紙 作者:ミゲル デリーベス 彩流社 Amazon ★★★ スペインの地方都市。70歳になって市役所を定年退職したエロイ老人は、妻とは既に死別しており、話し相手と言えば女中のデシーくらいしかいなかった。エロイ老人は写真が趣味で、地元の協会に所属している…

ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』(2013)

十二月の十日 作者:ジョージ・ソーンダーズ 河出書房新社 Amazon ★★★ 短編集。「ビクトリー・ラン」、「棒きれ」、「子犬」、「スパイダーヘッドからの逃走」、「訓告」、「アル・ルーステン」、「センプリカ・ガール日記」、「ホーム」、「わが騎士道、轟沈…

金庸『射雕英雄伝』(1957,1976)

射雕英雄伝―金庸武侠小説集 (1) (徳間文庫) 作者:金 庸 徳間書店 Amazon ★★★★ 南宋の時代。生前に父を殺された郭靖は蒙古で生まれ、そこで江南七怪によって武術の手ほどきを受ける。郭靖は約定により、18歳になったら自分と同年の少年と武術勝負をすることに…

テイラー・シェリダン『ウインド・リバー』(2017/米)

ウインド・リバー(字幕版) ジェレミー・レナー Amazon ★★★ 一面が雪に覆われたワイオミング州ウインド・リバー保留地。地元でハンターをしているコリー・ランバート(ジェレミー・レナー)が、付近に何もない土地で少女の死体を発見する。死体は裸足だった。…

ジョン・マッデン『女神の見えざる手』(2016/米=仏)

女神の見えざる手(字幕版) ジェシカ・チャステイン Amazon ★★★ ロビイストのエリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)は大企業でバリバリ活躍していたが、銃規制反対の仕事を振られた際、それを断って別の小さな会社に移籍する。そこで銃規制強化の…

ジョン・リー・ハンコック『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』(2016/米)

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(字幕版) マイケル・キートン Amazon ★★★ 1954年。セールスマンのレイ・クロック(マイケル・キートン)は、ミルクシェイク用のミキサーを売り歩いていた。そんな彼が繁盛しているハンバーガー店を訪れる。店の名前は…

ジョージ・シドニー『アニーよ銃をとれ』(1950/米)

アニーよ銃をとれ(字幕版) ルイス・カルハーン Amazon ★★★ シンシナティにバッファロー・ビル(ルイス・カルハーン)の一座がやってきた。現地で兄弟と野性的な生活をしているアニー・オークリー(ベティ・ハットン)は、一座の看板スターであるフランク・…

アラン・ロブ=グリエ『エデン、その後』(1970/仏=チェコスロバキア=チュニジア)

エデン、その後(字幕版) カトリーヌ・ジュールダン Amazon ★★★ ヴァイオレット(カトリーヌ・ジュールダン)たち大学生がカフェ・エデンに集まり、ロシアンルーレットや薬物摂取ごっこなど、退廃的な遊びに興じている。そこへ謎の男(ピエール・ジメール)が…