海外文学読書録

書評と感想

ポール・オースター

ポール・オースター『サンセット・パーク』(2010)

サンセット・パーク 作者:オースター,ポール 新潮社 Amazon ★★★ 名門大学を中退したマイルズ・ヘラーは、フロリダで残存物撤去(トラッシュ・アウト)の仕事をしていた。そんな彼が未成年の少女と恋仲になる。ところが、マイルズは少女の親族に脅され、少女…

ポール・オースター『ムーン・パレス』(1989)

ムーン・パレス (新潮文庫) 作者:ポール・オースター 新潮社 Amazon ★★★ ベトナム戦争中のアメリカ。大学生のマーコ・フォッグは幼くして両親を亡くしたあと、伯父によって育てられていた。ところが、その伯父もあの世に旅立ってしまう。マーコは困窮してホ…

ポール・オースター『インヴィジブル』(2009)

インヴィジブル 作者:オースター,ポール 新潮社 Amazon ★★★★ 1967年。ユダヤ人の大学生アダム・ウォーカーが、国際情勢研究所の客員教授ルドルフ・ボルンと出会う。ボルンはウォーカーに、資金を提供するから雑誌を作ってそれで生計を立てるよう提案する。さ…

ポール・オースター『冬の日誌』(2012)

冬の日誌 作者:ポール・オースター 新潮社 Amazon ★★★ 自伝。主に肉体の出来事を軸に、時系列を錯綜させながら語っていく。野球に熱中した少年時代、女の子に熱をあげた思春期、生まれてから現在までの住所遍歴、母親の死、自分の結婚など。 自分はそんなふ…

ポール・オースター『闇の中の男』(2008)

闇の中の男 作者:ポール オースター 新潮社 Amazon ★★★ (1) 書評家の老人は、娘と孫娘の3人暮らし。そんな彼が頭のなかで物語をこしらえる。(2) 老人が作った物語。手品師のブリックは、内戦中のアメリカに兵士として放り込まれる。そこは9.11もイラク戦争も…

ポール・オースター『写字室の旅』(2007)

写字室の旅 作者:ポール オースター 新潮社 Amazon ★★★ どこか分からない部屋に一人軟禁されている記憶喪失の老人。語り手は彼をミスター・ブランクと名付ける。ミスター・ブランクの元には様々な男女がやってきて、彼はひょんなことから誰かが書いた物語を…