海外文学読書録

書評と感想

川島雄三『銀座二十四帖』(1955/日)

銀座二十四帖 月丘夢路 Amazon ★★★★ 京極和歌子(月丘夢路)は少女時代に奉天で流浪の学生に肖像画を描いてもらっていた。彼の記憶はおぼろげで、肖像画にはGMと署名してある。和歌子はGMと再会したがっていた。一方、花屋のコニイ(三橋達也)はその件につ…

高橋栄樹『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』(2020/日)

僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46 欅坂46 Amazon ★★★ 2015年、坂道シリーズ第2弾として欅坂46が結成。平手友梨奈がセンターを務める。以後、2020年に脱退するまで平手はセンターであり続けた。平手の脱退と同じ年に欅坂46は活動を休止し、グループ名…

ジョセフ・H・ルイス『拳銃魔』(1950/米)

拳銃魔(字幕版) ペギー・カミングス Amazon ★★★ バート(ジョン・ドール)は子供の頃から銃器に愛着を抱いており、長じてからは射撃の名手になった。彼は誰にも負けない腕前のくせに殺生を嫌っている。復員してきたバートは村にやってきたサーカスで、一座…

サマセット・モーム『片隅の人生』(1932)

片隅の人生 (ちくま文庫) 作者:W.サマセット モーム 筑摩書房 Amazon ★★★★ 眼科のサンダース医師は福州の中国人に人気があった。その彼が中国人富豪の手術のためマレー半島のタカナ島に赴く。手術は成功し、島で退屈していたところ、ニコルズ船長とフレッド…

リチャード・レスター『スーパーマンⅡ 冒険編』(1980/米=英)

スーパーマンⅡ 冒険編(字幕版) クリストファー・リーヴ Amazon ★★★ エッフェル塔をテロリストが占拠した。現地では記者のロイス・レーン(マーゴット・キダー)が取材をしている。それを知ったスーパーマン(クリストファー・リーヴ)がニューヨークから急行…

中川信夫『地獄』(1960/日)

地獄 天知茂 Amazon ★★★ 大学生の清水四郎(天知茂)は教授の娘・幸子(三ツ矢歌子)と婚約していた。そんな四郎に同じ大学の学生・田村(沼田曜一)が付きまとってくる。四郎は田村を煙たがっていた。ある日、四郎が田村の運転する車に乗っていると、酔っぱ…

ロバート・R・マキャモン『スワン・ソング』(1987)

スワン・ソング〈上〉 (ミステリペイパーバックス) 作者:ロバート・R. マキャモン 福武書店 Amazon ★★★ 核戦争が勃発。アメリカはソ連の核ミサイルによって不毛の地となった。不思議な力を持ったスワンは、仲間たちと町で農作物を作る。また、魔法のアイテム…

石井輝男『黒線地帯』(1960/日)

黒線地帯 天知茂 Amazon ★★ トップ屋の町田広二(天知茂)は秘密売春組織を追っていた。ところが、女易者とポン引きにはめられて眠らされてしまう。目が覚めると隣に女の死体が横たわっていた。殺人の濡れ衣を着せられた町田は警察から逃れつつ、犯罪組織を…

赤城博昭『劇場版 からかい上手の高木さん』(2022/日)

劇場版「からかい上手の高木さん」 高橋李依 Amazon ★★★ 中学3年生になった西片(梶裕貴)と高木さん(高橋李依)だったが、2人は相変わらずからかい・からかわれの関係を保っていた。高校への進学が視野に入り、終わらない日常が終わろうとしている。そんな…

中川信夫『東海道四谷怪談』(1959/日)

東海道四谷怪談 天知茂 Amazon ★★★ 備前岡山藩。浪人・民谷伊右衛門(天知茂)はお岩(若杉嘉津子)との婚儀を彼女の父親に取り消され、さらには往来で侮辱までされる。怒った伊右衛門は彼を斬殺、その場にいた直助(江見俊太郎)と共謀して事件を隠蔽し、お…

河瀨直美『東京2020オリンピック SIDE:B』(2022/日)

東京2020オリンピック SIDE:B Amazon ★★★ 2021年に開催された東京オリンピックの公式記録映画。SIDE:Bでは非アスリートを中心に描く。 周知の通り、2020年の東京オリンピックはコロナ禍によって開催が1年延期された。本作は開催までの道のりを描いている。 …

河瀨直美『東京2020オリンピック SIDE:A』(2022/日)

東京2020オリンピック SIDE:A Amazon ★★★ 2021年に開催された東京オリンピックの公式記録映画。SIDE:Aではアスリートを中心に描く。 2021年2月3日。当時、森喜朗は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長だった。彼はJOCの臨時評議員会で次…

新海誠『天気の子』(2019/日)

天気の子 醍醐虎汰朗 Amazon ★★★ 6月。16歳の森嶋帆高(醍醐虎汰朗)が離島から家出して東京にやってくる。彼は住み込みでオカルトライターのアシスタントをすることになった。そんな帆高がもうすぐ18歳になるという天野陽菜(森七菜)と出会う。折しも東京…

朴性厚『劇場版 呪術廻戦 0』(2021/日)

劇場版 呪術廻戦 0 緒方恵美 Amazon ★★★ 幼少期。乙骨憂太(緒方恵美)は幼馴染の里香(花澤香菜)と結婚の約束を交わしたが、里香が交通事故で死んでしまう。それ以来、里香が呪いとして乙骨に取り憑いた。長じてからは事件を起こして秘密裏に処刑されそう…

新海誠『君の名は。』(2016/日)

君の名は。 神木隆之介 Amazon ★★★★ 17歳の男子高校生・立花瀧(神木隆之介)は東京の四ツ谷で暮らしていた。一方、17歳の女子高校生・宮水三葉(上白石萌音)は飛騨地方の糸守町で暮らしている。そんな2人がどういう因果かたびたび入れ替わることに。当初は…

樋口真嗣『シン・ウルトラマン』(2022/日)

シン・ウルトラマン 斎藤工 Amazon ★★★★ 日本では「禍威獣(カイジュウ)」という巨大生物が出現して各所を荒らし回っていた。政府は禍特対(カトクタイ)を設立して対策に当たる。ある日、何番目かの禍威獣が現れたとき、謎の巨人がそれを倒して飛び去った…

マルキ・ド・サド『恋のかけひき』

恋のかけひき (角川文庫) 作者:マルキ・ド・サド,澁澤 龍彦 KADOKAWA Amazon ★★★★ 日本オリジナル編集の短編集。「ファクスランジュ あるいは 野心の扉」、「ロドリグ あるいは 呪縛の塔」、「オーギュスティヌ・ドヴィルブランシュ あるいは 恋のかけひき」…

マルキ・ド・サド『閨房哲学』(1795)

閨房哲学 (角川文庫) 作者:マルキ・ド・サド,澁澤 龍彦 KADOKAWA Amazon ★★★ 15歳の少女ウージェニイが、性的逸脱者のサン・タンジュ夫人とドルマンセから教育を受ける。2人は近親相姦や不倫など、無神論に基づいた悪徳の論説を展開し、最終的にはウージェニ…

2022年に読んだ469冊から星5の15冊を紹介

このブログでは原則的に海外文学しか扱ってないが、実は日本文学やノンフィクションも陰でそこそこ読んでおり、それらを読書メーターに登録している。 今回、2022年に読んだすべての本から、最高点(星5)を付けた本をピックアップすることにした。読書の参…

京極義昭『映画 ゆるキャン△』(2022/日)

映画『ゆるキャン△』 東山奈央 Amazon ★★★ 名古屋の小さな出版社で働くリン(東山奈央)。山梨の観光機構にUターン就職した千明(原紗友里)。東京のアウトドアショップに勤めるなでしこ(花守ゆみり)。山梨で小学校教師をしているあおい(豊崎愛生)。横浜…

小津安二郎『東京物語』(1953/日)

東京物語 笠智衆 Amazon ★★★★ 周吉(笠智衆)ととみ(東山千栄子)の老夫婦が尾道から上京してくる。町医者で長男の幸一(山村聡)、さらに美容院を経営する長女の志げ(杉村春子)の家を訪れるも、どちらも忙しくて十分もてなすことができない。そんななか…

マルキ・ド・サド『美徳の不幸』(1787)

美徳の不幸 (角川文庫) 作者:マルキ・ド・サド,澁澤 龍彦 KADOKAWA Amazon ★★★ 12歳のジュスティーヌは3歳上の姉ジュリエットと修道院で暮らしていたが、両親の破産によって修道院から出ることになる。姉妹は離ればなれに。美徳を奉じるジュスティーヌは行く…

フランツ・カフカ『ある流刑地の話』

ある流刑地の話 (角川文庫) 作者:フランツ・カフカ,本野亨一 KADOKAWA Amazon ★★★ 日本オリジナル編集の短編集。「二つの対話」、「観察」、「判決」、「村の医者」、「ある流刑地の話」、「断食芸人」、「ある犬の研究」の7編。 旅行者は考えこんでしまった…

岩井澤健治『音楽』(2020/日)

音楽 坂本慎太郎 Amazon ★★★★ 高校生の研二(坂本慎太郎)は、同じ学校の太田(前野朋哉)や朝倉(芹澤興人)とつるんで不良をしていた。3人の友人に亜矢(駒井蓮)がいる。研二・太田・朝倉の3人はひょんなことからバンドを組むことに。ところが、編成はベ…

ギョーム・アポリネール『若きドン・ジュアンの冒険』(1911)

若きドン・ジュアンの冒険 (角川文庫) 作者:ギョーム・アポリネール,須賀 慣 KADOKAWA Amazon ★★★ 夏。13歳のロジェが母親や2人の姉と共に田舎の地所にやってくる。彼らの住居は「お城」と呼ばれていた。ロジェは浴室で女中たちに体を洗ってもらっていたが、…

フランツ・カフカ『城』(1926)

城 (角川文庫) 作者:フランツ・カフカ,原田 義人 KADOKAWA Amazon ★★★★ 晩遅く、測量技師のKが雪深い村に到着する。その村は城の領地で、伯爵の許可なしに住んだり泊まったりすることはできなかった。Kは2人の助手を押し付けられ、酒場の女中といい仲になる…

フランツ・カフカ『審判』(1925)

審判 (角川文庫) 作者:フランツ・カフカ,本野 亨一 KADOKAWA Amazon ★★★ 30歳の誕生日に銀行の業務主任ヨーゼフ・Kが見知らぬ2人組の訪問を受け、自分が逮捕されたことを告げられる。しかし、罪状は分からない。ヨーゼフ・Kは今まで通り日常を過ごしていいこ…

マルキ・ド・サド『悪徳の栄え』(1797-1801)

悪徳の栄え (角川文庫) 作者:マルキ・ド・サド KADOKAWA Amazon ★★ パンデモンの修道院で育てられたジュリエットは、13歳のとき、三十路の尼僧デルベーヌ夫人と出会う。ジュリエットはデルベーヌ夫人からキリスト教道徳に反した悪徳を教育されるのだった。修…

フランツ・カフカ『アメリカ』(1927)

アメリカ (角川文庫) 作者:フランツ・カフカ,中井 正文 KADOKAWA Amazon ★★★★ 16歳でドイツからアメリカに追放されたカール・ロスマンは、ニューヨーク港で火夫の抗議に協力した後、伯父で上院議員のヤーコブに引き取られる。ヤーコブは仲介業を営む富裕層だ…

ヨナス・ヨナソン『華麗な復讐株式会社』(2020)

華麗な復讐株式会社 作者:ヨナス・ヨナソン 西村書店 Amazon ★★★ ストックホルム。画商ヴィクトル・アルデルヘイムは極右の野心家である。彼は金持ちの令嬢イェンニから財産を奪い、私生児の息子ケヴィンをケニアのサバンナに置き去りにした。ケヴィンは現地…