海外文学読書録

書評と感想

ゴンクール賞

エルヴェ・ル・テリエ『異常』(2020)

異常【アノマリー】 作者:エルヴェ ル テリエ 早川書房 Amazon ★★★ 2021年6月。パリ発ニューヨーク行きのエールフランス006便が乱気流に巻き込まれる。アメリカ国内に着陸すると、3ヶ月前に同じ飛行機が着陸していることが判明した。乗員・乗客もまったく同…

マリー・ンディアイ『三人の逞しい女』(2009)

三人の逞しい女 作者:ンディアイ,マリー 早川書房 Amazon ★★★ (1) 弁護士のノラが年老いた父の元を訪れる。ノラは父から母親共々捨てられており、弟と離れ離れになっていた。さらに、ノラは自分の家にとある父娘を迎えたことで人生が台無しになりかけている…

ジョナサン・リテル『慈しみの女神たち』(2006)

慈しみの女神たち 上 作者:ジョナサン・リテル 集英社 Amazon ★★★★ ナチス・ドイツ時代に法律家・保安部の役人・SS将校を勤め、戦後はフランスでレース工場の支配人になったマクシミリアン・アウエ。その彼が戦時中を回想する。法学博士にしてSS中尉の彼は、…

ピエール・ルメートル『天国でまた会おう』(2013)

天国でまた会おう(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:ピエール ルメートル,Pierre Lemaitre 早川書房 Amazon ★★ 第一次世界大戦。戦場で上官の不正を目撃したアルベールは、砲弾の穴に生き埋めになって死にそうになる。それを助けたのは同僚のエドゥアール…

ミシェル・ウエルベック『地図と領土』(2010)

地図と領土 (ちくま文庫) 作者:ミシェル ウエルベック 筑摩書房 Amazon ★★★★ 若い芸術家のジェドが、ミシュラン社の女性と知り合うことで人生が一変する。彼は女性の協力を得て展覧会で成功を収めた後、作家のミシェル・ウエルベックに仕事を依頼するように…