海外文学読書録

書評と感想

老舎

老舎『牛天賜物語』(1935)

老舎小説全集〈第4巻〉猫の国・牛天賜物語 (1982年) 作者:老舎 学習研究社 Amazon ★★ 裕福な商人・牛爺さんとその妻・牛婆さんには子供がいなかった。ひょんなことから2人は捨て子の赤ん坊を養子にする。その赤ん坊は牛天賜と名付けられるのだった。牛天賜の…

老舎『猫城記』(1933)

猫城記 (1980年) (サンリオSF文庫) Amazon ★★★ ロケットが破裂して火星に不時着した「私」。降り立った先は、猫人間が暮らす猫の国だった。「私」は当初、現地人に拘束されるも、脱獄して客人として遇されることに。「私」の庇護者になった大蠍は、迷い葉と…

老舎『四世同堂』(1944-1946)

老舎小説全集 第8巻 四世同堂 上 作者:老舎,芦田孝昭 学研プラス Amazon ★★★ 盧溝橋事件によって戦争が勃発、北平が日本軍に占領される。教師の祁端宣は四世代同居の「四世同堂」の生活を送っていたが、弟の端全が城外に脱出して抗日戦に身を投じたことで、…

老舎『駱駝祥子』(1936)

駱駝祥子―らくだのシアンツ (岩波文庫) 作者:老 舎 岩波書店 Amazon ★★★★★ 若くして両親を亡くした祥子は、北京に出てきて車夫になる。懸命に働いて遂に自分の車を手に入れるも、精華へ客を乗せていく途中で兵隊に徴発されてしまう。部隊は戦闘に敗北し、祥…