海外文学読書録

書評と感想

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

D・W・グリフィス『散り行く花』(1919/米)

散り行く花(字幕版) リリアン・ギッシュ Amazon ★★★ 中国人の若者(リチャード・バーセルメス)が西洋の国に仏の教えを伝えようと旅立つ。ところが、いつしか若者はその志を忘れ、ロンドンの貧民街で店を開いていた。一方、同じ貧民街では少女ルーシー(リリ…

鈴木清順『東京流れ者』(1966/日)

東京流れ者 渡哲也 Amazon ★★★★ 不死鳥の哲こと本堂哲也(渡哲也)は、解散した倉田組の元組長(北竜二)に従って堅気の仕事をしていた。ところが、ビルを巡って大塚組との抗争に巻き込まれる。雪国に流れた哲也だったが、蝮の辰(川地民夫)が命を狙って追…

ジョゼ・サラマーゴ『だれも死なない日』(2005)

だれも死なない日 作者:ジョゼ・サラマーゴ 河出書房新社 Amazon ★★★ 国内では新年から突然人が死ななくなった。どんな病気になっても、どんな重体に陥っても、誰一人死なない。これにはカトリック教会や葬儀屋、生命保険会社などがお手上げになった。ところ…

ルキノ・ヴィスコンティ『夏の嵐』(1954/伊)

夏の嵐 アリダ・ヴァリ Amazon ★★★★★ 1866年、オーストリア占領下のヴェネツィア。リヴィア・セルピエーリ伯爵夫人(アリダ・ヴァッリ)が、決闘騒ぎを起こしたいとこのロベルト・ウッソーニ侯爵(マッシモ・ジロッティ)を救うため、相手方であるオーストリ…

村瀬修功『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(2021/日)

閃光のハサウェイ 小野賢章 Amazon ★★★ U.C.0105。第二次ネオ・ジオン戦争から12年経っていたが、世間では未だにシャアの影響が残っていた。地球ではマフティー率いる武装組織が、シャアの理想を掲げてテロを行っている。そんななか、ブライト・ノアの息子ハ…

京極尚彦『ラブライブ!スーパースター!!』(2021)

ラブライブ! スーパースター!! 1 (特装限定版) [Blu-ray] バンダイナムコアーツ Amazon ★★★★ 私立結ヶ丘女子高等学校は新設校で、今回入ってきた入学生が初めての生徒。そんななか、澁谷かのん(伊達さゆり)、唐可可(Liyuu)、嵐千砂都(岬なこ)、平安名…

アリ・アスター『ミッドサマー』(2019/米=スウェーデン)

ミッドサマー(字幕版) フローレンス・ピュー Amazon ★★★ アメリカの女子大生ダニ―(フローレンス・ピュー)が妹の無理心中によって家族を亡くす。失意に暮れていると彼氏のクリスチャン(ジャック・レイナー)からスウェーデンへの旅行に誘われた。クリス…

溝口健二『近松物語』(1954/日)

近松物語 長谷川 一夫 Amazon ★★★★ 京。大経師の妻おさん(香川京子)が実家から金の無心をされる。おさんの夫はケチでその申し出をすげなく断った。おさんは仕方なく、手代の茂兵衛(長谷川一夫)に相談する。茂兵衛は勝手に主人の印判を使って取引先から金…

ジェイン・オースティン『分別と多感』(1811)

分別と多感 (ちくま文庫) 作者:ジェイン オースティン 筑摩書房 Amazon ★★★ ダッシュウッド家の未亡人と娘の三姉妹はサセックス州のノーランド屋敷に居候していた。長女のエリナーには「分別」があり、同じく分別のある地味な青年エドワードと恋仲にある。一…

ベルトルト・ブレヒト『暦物語』(1949)

暦物語 (光文社古典新訳文庫) 作者:ブレヒト 光文社 Amazon ★★★ 短編集。「アウグスブルクの白墨の輪」、「ユダヤ人相手の娼婦、マリー・サンダースのバラード」、「2人の息子」、「仏陀が語る、燃えている家のたとえ」、「実験」、「ウルム 1592年」、「異…

ギ・ド・モーパッサン『宝石/遺産 モーパッサン傑作選』(1883,1884)

宝石/遺産~モーパッサン傑作選~ (光文社古典新訳文庫) 作者:モーパッサン 光文社 Amazon ★★★ 日本オリジナル編集の短編集。「宝石」、「遺産」、「車中にて」、「難破船」、「パラン氏」、「悪魔」の6編。 ここ一週間、例の夕食にそなえてカシュランは忙…

シャルル・バルバラ『赤い橋の殺人』(1855)

赤い橋の殺人 (光文社古典新訳文庫) 作者:バルバラ 光文社 Amazon ★★★ パリ。芸術家グループに身を置くマックスは色々な人たちとつき合いがあった。その中にはクレマンという癖の強い人物もいる。クレマンはその日暮らしをしてブルジョワの生活を馬鹿にし、…

ジョージ・バーナード・ショー『ピグマリオン』(1912)

ピグマリオン (光文社古典新訳文庫) 作者:バーナード・ショー 光文社 Amazon ★★★★★ ロンドン。下町の花売り娘イライザは酷いコックニー訛りで話していた。彼女はひょんなことから音声学者ヒギンズと出会う。イライザはヒギンズのところに住み込みで話し方を…