海外文学読書録

書評と感想

ミシェル・ウエルベック

ミシェル・ウエルベック『セロトニン』(2019)

セロトニン 作者:ミシェル・ウエルベック 河出書房新社 Amazon ★★★ 46歳のフロラン=クロード・ラブルストは、農業食糧省の契約調査員として高給を得ている。彼には20歳年下の恋人ユズがいた。ユズは裕福な日本人だったが、変態性欲の持ち主で、ラブルストは…

ミシェル・ウエルベック『ある島の可能性』(2005)

ある島の可能性 (河出文庫) 作者:ミシェル ウエルベック 河出書房新社 Amazon ★★★ (1) コメディアンのダニエルは世相を皮肉ったショーで一世を風靡し、さらには映画監督としても成功する。金持ちになった彼は貪欲にセックスを求めるのだった。(2) 異常気象に…

ミシェル・ウエルベック『服従』(2015)

服従 (河出文庫) 作者:ミシェル・ウエルベック 河出書房新社 Amazon ★★★★ 2022年。大学教授でユイスマンスの専門家であるフランソワは、愛人とセックスをする平穏な生活を送っていた。ところが、選挙でイスラーム同胞党が躍進したことで周囲が慌ただしくなる…

ミシェル・ウエルベック『ランサローテ島』(2000)

ランサローテ島 作者:ミシェル ウエルベック 河出書房新社 Amazon ★★★ フランス人の「私」がアフリカ沿岸沖のランサローテ島へ旅行に行く。そこは火山のある荒涼とした島だった。「私」は現地でベルギー人の男、ドイツ人のレズビアンカップルと知り合う。 「…

ミシェル・ウエルベック『地図と領土』(2010)

地図と領土 (ちくま文庫) 作者:ミシェル ウエルベック 筑摩書房 Amazon ★★★★ 若い芸術家のジェドが、ミシュラン社の女性と知り合うことで人生が一変する。彼は女性の協力を得て展覧会で成功を収めた後、作家のミシェル・ウエルベックに仕事を依頼するように…