海外文学読書録

書評と感想

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

イワン・ゴンチャロフ『オブローモフ』(1859)

オブローモフ〈上〉 (岩波文庫) 作者:ゴンチャロフ 岩波書店 Amazon ★★★ 30代の貴族オブローモフは、ゴローホヴァヤ街の借家で使用人のザハールと暮らしていた。ある日、オブローモフの元に次々と客が訪れるも、彼はベッドから降りることもなく応対する。や…

モーガン・スパーロック『スーパーサイズ・ミー』(2004/米)

スーパーサイズ・ミー(字幕版) モーガン・スパーロック Amazon ★★★ ドキュメンタリー映画。本作の監督であるモーガン・スパーロックが、1日3食・30日間マクドナルドのメニューだけ食べる生活をする。健康だったスパーロックは、みるみるうちに不健康になっ…

マルセル・カルネ『天井桟敷の人々』(1945/仏)

天井棧敷の人々 4K修復版 Blu-ray アルレッティ Amazon ★★★★★ パリ。芸人のバチスタ(ジャン=ルイ・バロー)が犯罪大通りでパントマイムをしていると、見物人のガランス(アルレッティ)が隣人の時計を盗んだと疑いをかけられてしまう。盗んだのはガランス…

モーシン・ハミッド『コウモリの見た夢』(2007)

コウモリの見た夢 作者:モーシン ハミッド 武田ランダムハウスジャパン Amazon ★★★★ パキスタンの古都ラホール。地元の青年チャンゲースが、旅行に来たアメリカ人に自分の半生を語る。アメリカに留学したチャンゲースは名門プリンストン大学を卒業し、ニュー…

ミハイル・レールモントフ『現代の英雄』(1840)

現代の英雄 (光文社古典新訳文庫) 作者:レールモントフ 光文社 Amazon ★★★★ カフカース地方を旅する「私」は、道中で二等中尉のマクシム・マクシームイチと知り合う。「私」はマクシームイチからグレゴーリイ・ペチョーリンの逸話を聞かされるのだった。金で…

アレクサンドル・プーシキン『大尉の娘』(1836)

大尉の娘 (光文社古典新訳文庫) 作者:プーシキン 光文社 Amazon ★★★★ ピョートル・グリニョーフは近衛の軍曹としてサンクト・ペテルブルグに勤務する予定だったが、厳しい父の意向で辺境の地ベロゴールスク要塞に配属される。そこでグリニョーフは大尉の娘マ…

アレクサンドル・プーシキン『エヴゲーニイ・オネーギン』(1825-1832)

完訳 エヴゲーニイ・オネーギン 作者:アレクサンドル・セルゲーヴィチ プーシキン 群像社 Amazon ★★★★ サンクト・ペテルブルグの社交界で名を馳せていたエヴゲーニイ・オネーギンは、若くしてふさぎの虫に取り憑かれ、田舎の領地に隠遁する。レンスキイとい…

ディディエ・デナンクス『未完の巨人人形』(1984)

未完の巨人人形 (ロマン・ノワール) 作者:ディディエ デナンクス 草思社 Amazon ★★ フランス北部の町アズブルック。かつての恋人に会いに来た男が、殺人の容疑で逮捕される。男は精神錯乱で不起訴になり、精神病院に入院することに。1年後、男は事件の真相を…