海外文学読書録

書評と感想

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q―自撮りする女たち―』(2016)

特捜部Q―自撮りする女たち― (ハヤカワ・ミステリ) 作者:ユッシ エーズラ オールスン 早川書房 Amazon ★★★ コペンハーゲン警察。特捜部Qのカール・マーク警部補のところに元殺人捜査課課長のマークス・ヤコプスンがやってくる。マークスは三週間前に起きたリ…

カレル・チャペック『白い病』(1937)

白い病 (岩波文庫) 作者:カレル チャペック 岩波書店 Amazon ★★★★ ヨーロッパで〈白い病〉が流行した。この病気は中国発祥で、患者は体に白い斑点が出て生きながら腐敗していく。罹患するのは50歳前後。若い世代への感染はなかった。ある日、枢密顧問官ジー…

出崎統『あしたのジョー』(1970-1971)、出崎統『あしたのジョー2』(1980-1981)

第1話「あれが野獣の眼だ!」 あおい輝彦 Amazon ★★★★ 山谷のドヤ街に矢吹丈(あおい輝彦)という少年が現れる。矢吹は喧嘩が滅法強かった。元ボクサーの丹下段平(藤岡重慶)はその素質に惚れ込み、彼にボクシングをさせようとする。しかし、矢吹は令嬢・白…

大城立裕『カクテル・パーティー』(1967)

カクテル・パーティー (岩波現代文庫) 作者:大城 立裕 岩波書店 Amazon ★★★★ 短編集。「亀甲墓 実験方言をもつある風土記」、「棒兵隊」、「ニライカナイの街」、「カクテル・パーティー」、「戯曲 カクテル・パーティー」の5編。 「あそこに」孫氏が遠くを…

ジョルジュ・シムノン『証人たち』(1955)

証人たち―シムノン本格小説選 作者:ジョルジュ シムノン 河出書房新社 Amazon ★★★ 重罪裁判所で裁判長を務めるグザヴィエ・ローモンには病気で寝たきりの妻ローランスがいた。ローモンは何かとローランスに気を使ってあれこれ世話を焼いている。また、ローモ…

エリザベス・ストラウト『バージェス家の出来事』(2013)

バージェス家の出来事 作者:エリザベス ストラウト 早川書房 Amazon ★★★ ニューヨークで暮らすジムとボブはメイン州出身の兄弟。ジムは有名な弁護士で、ボブは訴訟支援に勤務している。メイン州ではボブと双子のスーザンが息子のザカリーと暮らしていた。あ…

『大豆田とわ子と三人の元夫』(2021)

大豆田とわ子と三人の元夫 Blu-ray BOX 松たか子 Amazon ★★ 建設会社の社長・大豆田とわ子(松たか子)には3度の離婚歴があった。1人目の元夫はレストランのオーナー・田中八作(松田龍平)。2人目の元夫はファッションカメラマン・佐藤鹿太郎(角田晃広)。…