海外文学読書録

書評と感想

2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

黒沢清『回路』(2001/日)

回路 加藤晴彦 Amazon ★ 観葉植物の会社で働く工藤ミチ(麻生久美子)だったが、同僚の自殺を皮切りに周囲の人たちが消えていく。一方、大学生の川島亮介(加藤晴彦)が自宅のPCからインターネットに接続すると不気味なサイトに繋がるのだった。亮介はインタ…

フランソワ・トリュフォー『終電車』(1980/仏)

終電車(字幕版) カトリーヌ・ドヌーヴ Amazon ★★★ ナチス占領下のパリ。女優・マリオン(カトリーヌ・ドヌーヴ)は夫・ルカ(ハインツ・ベネント)に代わってモンマルトル劇場を差配している。ルカは演出家と支配人を兼任していたが、ユダヤ人のため身を隠…

黒沢清『ニンゲン合格』(1999/日)

ニンゲン合格 西島秀俊 Amazon ★★★ 吉井豊(西島秀俊)は14歳のとき交通事故に遭って以来10年間昏睡状態だったが、突然病院のベッドで目覚める。彼を出迎えてくれたのは父の友人・藤森(役所広司)だった。10年の間に一家は離散し、吉井家の土地は藤森が借り…

フランソワ・トリュフォー『逃げ去る恋』(1979/仏)

逃げ去る恋(字幕版) ジャン=ピエール・レオ Amazon ★★★ 印刷所で働くアントワーヌ・ドワネル(ジャン=ピエール・レオ)は、自伝的な恋愛小説を出版していた。別居中の妻クリスチーヌ(クロード・ジャド)とは離婚協議をしており、現在はレコード店で働く…

黒沢清『蜘蛛の瞳』(1998/日)

蜘蛛の瞳 哀川翔 Amazon ★★★ 6年前に娘を殺害された新島(哀川翔)が、犯人(寺島進)を見つけて復讐を果たす。新島は生きる目的を失ったが、ある日、高校の同級生だった岩松(ダンカン)と再会、彼が経営する会社に転職する。そこは表向きは貿易会社だった…

みづき水脈、藤森直子『綾。ホステス、18歳。』(2002-2006)

綾。ホステス、18歳。 1巻 作者:みづき水脈,藤森 直子 ビーグリー Amazon ★★★ 18歳の直子は地方から上京して大学に通っている。そんな彼女が時給3千円に釣られてキャバクラでバイトを始める。源氏名は綾。彼女は様々な客と接して仕事に慣れていき、やがて店…

フランソワ・トリュフォー『私のように美しい娘』(1972/仏)

私のように美しい娘(字幕版) ベルナデット・ラフォン Amazon ★★★★ 社会学者のスタニスラス・プレヴィン(アンドレ・デュソリエ)が、女性犯罪者に関する論文を書くため刑務所を訪れる。取材の対象はカミーユ・ブリス(ベルナデット・ラフォン)。プレヴィ…

齋藤武市『愛と死をみつめて』(1964/日)

愛と死をみつめて 吉永小百合 Amazon ★★★ 大阪。軟骨肉腫で入院中の小島道子(吉永小百合)は左目に白い眼帯をしている。彼女は2年前に知り合った高野誠(浜田光夫)と交際し、文通していた。誠は東京で大学生活を送っていたが、時折大阪までやってきて道子…

川島雄三『あした来る人』(1955/日)

あした来る人 山村聰 Amazon ★★★★ 実業家・梶大助(山村聰)の元に娘・八千代(月丘夢路)の紹介で曾根二郎(三國連太郎)という青年がやってくる。曾根はカジカの研究をしており、そのための出版資金を必要としていた。一方、八千代には夫・大貫克平(三橋…

西河克己『青い山脈』(1963/日)

青い山脈 吉永小百合 Amazon ★★★ 田舎の城下町。一人バイク通学をしている寺沢新子(吉永小百合)は女子高に転校してきたばかり。そんな彼女の元にラブレターが届く。ところが、それはクラスメイトのいたずらだった。新子は教師の島崎雪子(芦川いづみ)に相…

舛田利雄『赤いハンカチ』(1964/日)

赤いハンカチ 石原裕次郎 Amazon ★★★ 横浜。刑事の三上(石原裕次郎)と石塚(二谷英明)は麻薬ルートを追っていた。参考人としてしょっぴいた男を取り調べるも何も吐かない。移送しようと男を外に出したとき、男は石塚の拳銃を奪って逃走した。やむなく三上…

フランソワ・トリュフォー『家庭』(1970/仏=伊)

家庭(字幕版) ジャン=ピエール・レオ Amazon ★★★★ アントワーヌ・ドワネル(ジャン=ピエール・レオ)はクリスチーヌ(クロード・ジャド)と幸福な結婚生活を送っていた。そんなあるとき、アントワーヌは花屋からアメリカ系資本の水力研究所に転職する。…