海外文学読書録

書評と感想

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

エリック・ロメール『友だちの恋人』(1987/仏)

友だちの恋人 エマニュエル・ショーレ Amazon ★★★ パリ郊外。市役所に勤めるブランシュ(エマニュエル・ショーレ)が、食堂で学生のレア(ソフィー・ルノワール)と知り合う。ブランシュはレアと親密になり、やがて彼女から恋人のファビアン(エリック・ヴィ…

福本伸行『最強伝説 黒沢』(2003-2006)

最強伝説 黒沢 1 作者:福本 伸行 フクモトプロ/highstone, Inc. Amazon ★★★ 2002年。44歳の土木作業員・黒沢は自分の人生が充実してないことに気づき、「人望が欲しい!」と願うことになる。当初は職場で浮いたことをして同僚たちから白眼視されていたが、…

ソン・ウォンピョン『アーモンド』(2017)

アーモンド 作者:ソン・ウォンピョン 祥伝社 Amazon ★★★ ユンジェは生まれつき感情を感じられなければ他者に共感する能力もなかった。彼は母親と祖母の3人で暮らすも、ある日、一家に不幸が訪れる。パン屋の社長の支援を受け、高校に進学したユンジェは不良…

エリック・ロメール『緑の光線』(1986/仏)

緑の光線 マリー・リヴィエール Amazon ★★★★ パリ。秘書のデルフィーヌ(マリー・リヴィエール)はバカンスを楽しむことにしていた。ところが、ギリシア旅行を約束していた友人から断りの電話を入れられる。デルフィーヌは恋人と別れたばかりで孤独だった。…

フェルディナント・フォン・シーラッハ『刑罰』(2018)

刑罰 作者:フェルディナント・フォン・シーラッハ 東京創元社 Amazon ★★★★ 短編集。「参審員」、「逆さ」、「青く晴れた日」、「リュディア」、「隣人」、「小男」、「ダイバー」、「臭い魚」、「湖畔邸」、「奉仕活動」、「テニス」、「友人」の12編。 「な…

エリック・ロメール『満月の夜』(1984/仏)

満月の夜 パスカル・オジエ Amazon ★★★★ ルイーズ(パスカル・オジエ)とレミ(チェッキー・カリョ)はパリ郊外のアパートで同棲していた。レミの独占欲に辟易したルイーズは、自由を求めてパリに所有している部屋を仮宿にする。また、レミにはオクターヴ(…

エリック・ロメール『海辺のポーリーヌ』(1983/仏)

海辺のポーリーヌ アマンダ・ラングレ Amazon ★★★★ ノルマンディー。15歳のポーリーヌ(アマンダ・ラングレ)が、従姉のマリオン(アリエル・ドンバール)と共に海辺の別荘にやってくる。2人はそこでマリオンの元恋人ピエール(パスカル・グレゴリー)とピエ…

エリック・ロメール『美しき結婚』(1982/仏)

美しき結婚 ベアトリス・ロマン Amazon ★★★★ 大学院で美術史を学んでいるサビーヌ(ベアトリス・ロマン)は、ル・マンの古美術商で使い走りの仕事をしていた。そんな彼女が愛人だった画家のシモン(フェオドール・アトキーヌ)と別れ、婚活を始めることにな…

エリック・ロメール『飛行士の妻』(1980/仏)

飛行士の妻 フィリップ・マルロー Amazon ★★★★★ 大学生のフランソワ(フィリップ・マルロー)は東駅の郵便局で夜間のアルバイトをしていた。フランソワには年上の彼女アンヌ(マリー・リヴィエール)がいる。ところが、フランソワはアンヌがパイロットのクリ…

チゴズィエ・オビオマ『小さきものたちのオーケストラ』(2019)

小さきものたちのオーケストラ 作者:チゴズィエ オビオマ 早川書房 Amazon ★★★ ナイジェリア。イボ人のチノンソはウムアヒア郊外で養鶏を営んでいた。ある日、彼は橋から飛び降りようとしていた女性を助ける。女性の名前はンダリ。2人は紆余曲折を経て恋仲に…

2021年に読んだ374冊から星5の15冊を紹介

このブログでは原則的に海外文学しか扱ってないが、実は日本文学やノンフィクションも陰でそこそこ読んでおり、それらを読書メーターに登録している。 今回、2021年に読んだすべての本から、最高点(星5)を付けた本をピックアップすることにした。読書の参…