海外文学読書録

書評と感想

★★★★★

コラム・マッキャン『世界を回せ』(2009)

世界を回せ 上 作者:コラム・マッキャン 河出書房新社 Amazon ★★★★★ 1970年代。ダブリンで生まれ育った「僕」は、修道士としてニューヨークに渡った弟コリガンを追うように渡米する。コリガンは売春婦への慈善活動と介護施設で老人介護をしていた。あるとき…

エドワード・P・ジョーンズ『地図になかった世界』(2003)

地図になかった世界 (エクス・リブリス) 作者:エドワード P ジョーンズ 白水社 Amazon ★★★★★ 19世紀のヴァージニア州マンチェスター郡。黒人農場主のヘンリー・タウンゼントが31歳で急死する。彼は両親ともども白人農場主の元奴隷で、父親が貯めた金で自由に…

ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』(1979)

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー) 作者:ミヒャエル・エンデ 岩波書店 Amazon ★★★★★ (1) いじめられっ子のバスチアンが、古本屋から1冊の本を盗み出す。それは『はてしない物語』という本だった。(2) はてしない物語。ファンタージエン国では国中に…

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『半分のぼった黄色い太陽』(2006)

半分のぼった黄色い太陽 作者:チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ 河出書房新社 Amazon ★★★★★ 1960年代のナイジェリア。(1) イボ人の少年ウグウが、同じイボ人の大学講師オデニボのハウスキーパーになる。(2) 裕福なイボ人のオランナが、恋人であるオデニボ…

マルグリット・ユルスナール『ハドリアヌス帝の回想』(1951)

ハドリアヌス帝の回想 作者:マルグリット・ユルスナール 発売日: 2008/12/16 メディア: 単行本 ★★★★★ 臨終間際のローマ皇帝ハドリアヌスが、後継者のマルクス・アウレリウスに宛てた回想録。帝国全土の旅、愛人アンティノウスの死、ユダヤ人政策の失敗、後継…