海外文学読書録

書評と感想

★★☆☆☆

山田尚子『映画 聲の形』(2016/日)

映画「聲の形」 入野自由 Amazon ★★ 高校3年生の石田将也(入野自由)が、身辺整理をして飛び降り自殺をしようとするも断念する。石田は小学6年生のとき、転校してきた聴覚障害者の西宮硝子(早見沙織)をいじめていたのだった。後にそれがクラスで問題にな…

ナオミ・オルダーマン『パワー』(2016)

パワー 作者:ナオミ・オルダーマン 河出書房新社 Amazon ★★ 突如、世界各地で少女たちが手から雷霆を放つことが出来るようになった。アメリカに住むアリ―もその一人で、彼女は「声」の言われるがまま、「その時」に向かって行動する。イヴと名乗ったアリ―は…

ロレンス・ダレル『セルビアの白鷲』(1957)

セルビアの白鷲 (文学のおくりもの 4) 作者:ロレンス・ダレル 晶文社 Amazon ★★ ユーゴスラビア南東部の山中で、英国大使館の職員が何者かに殺された。現地ではセルビア王党派の白鷲隊が、チトー政権を転覆させようと画策している。英国諜報員のメシュインは…

ユードラ・ウェルティ『大泥棒と結婚すれば』(1942)

大泥棒と結婚すれば (文学のおくりもの 22) 作者:ユードラ・ウェルティ 晶文社 Amazon ★★ 18世紀後半。ミシシッピ川周辺に住む地主のクレメント・マスグローブが、ジェイミー・ロックハートという紳士に命を救ってもらう。クレメントには美しい娘ロザモンド…

エリザベス・ギャスケル『女だけの町』(1853)

女だけの町―クランフォード (岩波文庫 赤 266-1) 作者:ギャスケル 岩波書店 Amazon ★★ イギリスの田舎町クランフォード。そこの上流社会は淑女たちで占められており、男性は退役軍人で年金暮らしのブラウン大尉くらいしかいなかった。語り手のメアリー・スミ…

陳浩基『世界を売った男』(2011)

世界を売った男 (文春文庫) 作者:浩基, 陳 発売日: 2018/11/09 メディア: 文庫 ★★ 2003年の香港で、夫と妊婦が惨殺された殺人事件が発生、許友一巡査部長もその捜査に携わっていた。ところが、許が前日の二日酔いから車の中で目覚めると、一晩のうちに世の中…

チャン・ジョンイル『コリアン・サラリーマンの秘密の生活』(1994)

コリアン・サラリーマンの秘密の生活 作者:蒋 正一 講談社 Amazon ★★ ソウルのナムソン・グループに勤めるサラリーマンの「彼」。「彼」は家と会社を往復する毎日を送りつつ、余暇には妻とレンタルビデオを見て過ごしていた。「彼」の妻は雑貨屋の長女であり…

キャシー・アッカー『ドン・キホーテ』(1986)

ドン・キホーテ (WRITERS X) 作者:キャシー アッカー 白水社 Amazon ★★ 中絶手術を目前にして発狂した女はドン・キホーテになり、犬になった聖シメオンをお供に奇妙な冒険をする。ドン・キホーテは66歳、聖シメオンは44歳。彼女は愛を求めながらも様々な社会…

マーティン・エイミス『時の矢』(1991)

Time's Arrow or the Nature of the Offence 作者:Amis, Martin Penguin Books Ltd Amazon ★★ アメリカ。「私」ことトード・フレンドリーは医師に囲まれ蘇生処置を受けている。ここから「私」は時間を逆回しにしてトードの人生を語っていく。彼は一見すると…

ピエール・ルメートル『天国でまた会おう』(2013)

天国でまた会おう(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:ピエール ルメートル,Pierre Lemaitre 早川書房 Amazon ★★ 第一次世界大戦。戦場で上官の不正を目撃したアルベールは、砲弾の穴に生き埋めになって死にそうになる。それを助けたのは同僚のエドゥアール…

パトリック・モディアノ『エトワール広場/夜のロンド』(1968,69)

エトワール広場/夜のロンド 作者:パトリック・モディアノ 作品社 Amazon ★★ 中編集。「エトワール広場」、「夜のロンド」の2編を収録。 「エトワール広場」(1968) フランス人は皆、回想録を書く娼婦に、男色の詩人に、アラブ人のヒモに、麻薬中毒の黒人に、…