海外文学読書録

書評と感想

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

N・リチャード・ナッシュ『クライ・マッチョ』(1975)

クライ・マッチョ (扶桑社BOOKSミステリー) 作者:N. リチャード・ナッシュ,古賀紅美 扶桑社 Amazon ★★★ テキサス。38歳のマイク・マイロはロデオスターとして数々の賞を獲得してきた。彼はハワードが経営するチームで活動していたが、落馬事故がきっか…

川島雄三『洲崎パラダイス 赤信号』(1956/日)

洲崎パラダイス 赤信号 新珠三千代 Amazon ★★★★★ 蔦枝(新珠三千代)と義治(三橋達也)のカップルが金に困って赤線地帯「洲崎パラダイス」の入口に流れてくる。蔦枝はその昔、洲崎パラダイスで娼婦をしていたのだった。蔦枝は居酒屋で、義治は蕎麦屋で働く…

ルキノ・ヴィスコンティ『家族の肖像』(1974/伊=仏)

家族の肖像 バート・ランカスター Amazon ★★★★ ローマ。教授(バート・ランカスター)がアパルトマンで絵画に囲まれながら隠居生活を送っていた。そこへ侯爵夫人のビアンカ(シルヴァーナ・マンガーノ)がやっきて上階を間借りしたいと申し出る。彼女は愛人…

片山慎三『さがす』(2022/日)

さがす 佐藤二朗 Amazon ★★★★ 日雇いの原田智(佐藤二朗)と中学生の娘・楓(伊東蒼)は大阪の下町で二人暮らし。ある日、智は300万の懸賞金の掛かった連続殺人犯を見かけたと楓に言う。その翌朝、智は忽然と姿を消すのだった。楓が日雇いの現場に行くと、父…

ジュゼッペ・デ・サンティス『にがい米』(1949/伊)

にがい米(字幕版) V.ガスマン Amazon ★★★★ 泥棒のワルター(ヴィットリオ・ガスマン)と情婦のフランチェスカ(ドリス・ダウリング)は首飾りを盗んで警察に追われていた。2人は一旦離ればなれになる。フランチェスカは水田地帯に出稼ぎに行く女性たちに紛…

片山慎三『岬の兄妹』(2019/日)

岬の兄妹 松浦祐也 Amazon ★★★ 港町。跛の良夫(松浦祐也)と自閉症の真理子(和田光沙)は兄妹。2人はボロ屋で貧乏暮らしをしていた。ある日、良夫は造船所をリストラされてしまう。金に困って友人の肇(北山雅康)に頼るも、根本的な解決にならない。生活…

アンリ=ジョルジュ・クルーゾー『犯罪河岸』(1947/仏)

犯罪河岸(字幕版) ベルナール・ブリエ Amazon ★★★ 舞台歌手のジェニー(シュジ・ドレール)は、夫でピアノ奏者のモーリス(ベルナール・ブリエ)と同じ職場で働いていた。夫妻の知人に写真家のドラ(シモーヌ・ルナン)がいる。ある日、ジェニーは金持ちブ…

アイザック・バシェヴィス・シンガー『不浄の血 アイザック・バシェヴィス・シンガー傑作選』

不浄の血 ---アイザック・バシェヴィス・シンガー傑作選 作者:アイザック・バシェヴィス・シンガー 河出書房新社 Amazon ★★★ 日本オリジナル編集の短編集。「バビロンの男」、「スピノザ学者」、「ギンプルのてんねん」、「ちびの靴屋」、「鏡(ある悪魔の独…

アントワーヌ・ローラン『赤いモレスキンの女』(2014)

赤いモレスキンの女 (新潮クレスト・ブックス) 作者:アントワーヌ・ローラン 新潮社 Amazon ★★★ パリ。書店主のローランが道端で女もののハンドバッグを拾う。中にはパトリック・モディアノのサイン本や赤いモレスキンの手帳などが入っていた。手帳には好き…

リドリー・スコット『ブラックホーク・ダウン』(2001/米)

ブラックホーク・ダウン (字幕版) ジョシュ・ハートネット Amazon ★★★★ 1993年。内戦の続くソマリアに軍事介入していたアメリカ軍は、敵の高官を拉致するため、首都モガディシュに兵を向かわせる。レンジャーやデルタフォースで構成された約100名が、ブラッ…

オクテイヴィア・E・バトラー『血を分けた子ども』(1995)

血を分けた子ども 作者:オクテイヴィア・E・バトラー 河出書房新社 Amazon ★★★ 短編集。「血を分けた子ども」、「夕方と、朝と、夜と」、「近親者」、「話す音」、「交差点」、「前向きな強迫観念」、「書くという激情」、「恩赦」、「マーサ記」の9編。 小…

イアン・ワトスン『オルガスマシン』(1976)

オルガスマシン (竹書房文庫) 作者:イアン・ワトスン 竹書房 Amazon ★★★ 島では遺伝子操作によってカスタムメイド・ガールを製造していた。巨大な青い眼を持つジェイド。猫娘のマリ。六つの乳房を持ち、顎に乳首がひとつあるハナ。片方の乳房が引き出しに、…