海外文学読書録

書評と感想

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

アン・ビーティ『愛している』(1985)

愛している (Novels for Her) 作者:アン・ビーティ 早川書房 Amazon ★★★ 1984年のバーモント州。35歳のルーシー・スペンサーはニューヨークで人気の雑誌にコラムを書いていた。彼女には本命の男がいるものの、その男に去られてしまったため、大学時代から付…

ミゲル・デリーベス『異端者』(1998)

異端者 作者:ミゲル デリーベス 彩流社 Amazon ★★★ 1517年のバリャドリッド。裕福な商人の家庭にシプリアーノ・サルセドが産まれる。ところが、まもなく母親が産褥死した。そのせいで父親はシプリアーノを憎み、彼の養育を乳母に任せてネグレクトする。長じ…

シーグリッド・ヌーネス『友だち』(2018)

友だち (新潮クレスト・ブックス) 作者:ヌーネス,シーグリッド 新潮社 Amazon ★★★★ ニューヨーク。女性作家の「わたし」には一時期肉体関係になりかけたほど懇意にしていた先輩作家がいたが、その彼が自殺してしまう。「わたし」は彼が飼っていた巨大な老犬…