海外文学読書録

書評と感想

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

是枝裕和『空気人形』(2009/日)

空気人形 ぺ・ドゥナ Amazon ★★★ ファミレス店員の秀雄(板尾釧路)は、ラブドールに「のぞみ」と名付けて夜な夜な可愛がっていた。ある日、そのラブドールに心が芽生える。メイド服を着たラブドール(ペ・ドゥナ)は秀雄がいない日中、外に出て街を散策。通…

ジョエル・シュマッカー『セント・エルモス・ファイアー』(1985/米)

セント・エルモス・ファイアー (字幕版) Rob Lowe Amazon ★★ ジョージタウン大学を卒業して数ヶ月の7人は、セント・エルモス・バーを溜まり場にしていた。弁護士を目指しているカービー(エミリオ・エステベス)、サックス奏者のビリー(ロブ・ロウ)、新聞…

是枝裕和『歩いても 歩いても』(2008/日)

歩いても 歩いても 阿部寛 Amazon ★★★★ 絵画修復師の横山良多(阿部寛)が、再婚した妻(夏川結衣)とその連れ子(田中祥平)を伴って帰郷する。横山家では兄の15周忌のため、親族が集まっていた。元開業医の父・恭平(原田芳雄)とその妻で専業主婦のとし子…

クリント・イーストウッド『運び屋』(2018/米)

運び屋(字幕版) クリント・イーストウッド Amazon ★★★ 園芸家のアール・ストーン(クリント・イーストウッド)は家族と折り合いが悪く、80代になっても孤独に暮らしていた。経済的に行き詰まった彼は、債権者に自宅を差し押さえられてしまう。そんななか、ア…

是枝裕和『誰も知らない』(2004/日)

誰も知らない 柳楽優弥 Amazon ★★★★ アパートに母親・けい子(YOU)と長男・明(柳楽優弥)が引っ越してくる。荷物の中から次男・茂(木村飛影)と次女・ゆき(清水萌々子)が現れ、さらに外では長女・京子(北浦愛)と合流する。けい子は明の存在だけを公に…

エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ、ジミー・チン『フリーソロ』(2018/米)

フリーソロ (字幕版) Amazon ★★★ 2017年6月。ロッククライマーのアレックス・オノルドが、エル・キャピタンへのフリーソロ・クライミングに挑戦する。その様子を撮影したドキュメンタリー。 監督は『MERU/メルー』の人。本作も同じくロッククライミングを題…

スティーヴン・スピルバーグ『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002/米)

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン (字幕版) レオナルド・ディカプリオ Amazon ★★★ 16歳のフランク・W・アバグネイル(レオナルド・ディカプリオ)は日頃から父(クリストファー・ウォーケン)を尊敬していたが、その父が母と離婚して離ればなれになること…

新海誠『言の葉の庭』(2013/日)

言の葉の庭 Amazon ★★★ 高校生の秋月孝雄(入野自由)は、雨の日は1限をサボって庭園の休憩所で過ごすことにしていた。彼は靴職人を目指してスケッチを描いている。ある日、いつも通り庭園に行くと、スーツを着て缶ビールを飲んでいる謎の女性と出会う。彼女…

新海誠『秒速5センチメートル』(2007/日)

秒速5センチメートル Amazon ★★★ 東京の小学生・遠野貴樹(水橋研二)と篠原明里(近藤好美)は、お互いに惹かれるところがあっていつも一緒にいた。ところが、中学進学と同時に明里が栃木に引っ越してしまう。しばらく文通を続ける2人だったが、今度は貴樹…

マーティン・スコセッシ『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013/米)

ウルフ・オブ・ウォールストリート (字幕版) レオナルド・ディカプリオ Amazon ★★★ 野心満々でウォール街の投資銀行に入社したジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)だったが、株式仲介人として力を発揮する前にブラックマンデーで銀行が倒…

新海誠『星を追う子ども』(2011/日)

星を追う子ども 金元寿子 Amazon ★★ 母と2人暮らしの明日菜(金元寿子)は、父の形見の鉱石ラジオで不思議な唄を聴いている。ある日、線路上で怪物と遭遇した明日菜は、アガルタから来たという少年シュン(入野自由)に助けられる。ところが、シュンはまもな…

チェ・ウニョン『わたしに無害なひと』(2018)

わたしに無害なひと (となりの国のものがたり5) 作者:チェ・ウニョン 亜紀書房 Amazon ★★★★ 短編集。「あの夏」、「六〇一、六〇二」、「過ぎゆく夜」、「砂の家」、「告白」、「差しのべる手」、「アーチディにて」の7編。 二人は仲の良い姉妹みたいに並ん…

新海誠『雲のむこう、約束の場所』(2004/日)

雲のむこう、約束の場所 Amazon ★★ 1996年。北海道がユニオンという異国に征服されており、その中央に謎の巨大な塔が建っていた。津軽半島に住む中学3年生・藤沢浩紀(吉岡秀隆)は、親友の白川拓也(萩原聖人)と飛行機を作っている。2人は塔に憧れており、…

イーユン・リー『理由のない場所』(2019)

理由のない場所 作者:リー,イーユン 河出書房新社 Amazon ★★★ 小説家の「私」が、16歳で自殺した息子ニコライと会話する。ニコライは早熟で詩作の才能があった。2人の会話は、時に言葉をめぐるものになったり、時に口論めいたものになったりする。 私があな…

シャネル・ベンツ『おれの眼を撃った男は死んだ』(2017)

おれの眼を撃った男は死んだ 作者:シャネル・ベンツ 発売日: 2020/05/20 メディア: 単行本 ★★★★ 短編集。「よくある西部の物語」、「アデラ」、「思いがけない出来事」、「外交官の娘」、「オリンダ・トマスの人生における非凡な出来事の奇妙な記録」、「ジ…

アルベール・カミュ『ペスト』(1947)

ペスト(新潮文庫) 作者:カミュ 新潮社 Amazon ★★★★ アルジェリアの港町オラン市。医師のリウーが鼠の死体を発見、間もなく市内にペストが蔓延した。町は閉鎖され、当局は対応に大わらわになる。そんななか、新聞記者のランベール、逃亡犯のコタール、よそ…

ジョージ・シドニー『三銃士』(1948/米)

三銃士(字幕版) ジーン・ケリー Amazon ★★ ダルタニアン(ジーン・ケリー)が田舎町ガスコーニュからパリに上り、ポルトス(ギグ・ヤング)、アラミス(ロバート・クート)、アトス(ヴァン・ヘフリン)の三銃士と親交を結ぶ。折しもフランスでは宰相のリ…

アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』(2017)

カササギ殺人事件 上 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫) 作者:アンソニー・ホロヴィッツ 東京創元社 Amazon ★★★★ 1955年。サマセット州のパイ屋敷で家政婦が死んだ。死因は、掃除機のコードに足を引っ掛けての転落死。ところが、その死が村に思わ…

ゾルタン・コルダ『サハラ戦車隊』(1943/米)

サハラ戦車隊(字幕版) ハンフリー・ボガート Amazon ★★★ 1942年。北アフリカ戦線で戦うアメリカ軍に撤退命令が下されるも、ガン軍曹(ハンフリー・ボガート)率いるM3中戦車「ルル・ベル」号は故障で逃げ遅れていた。戦車は本体に合流すべく南へ向かう。そ…

デイミアン・チャゼル『セッション』(2014/米)

セッション(字幕版) マイルズ・テラー Amazon ★★★★ 名門音楽大学の1年生アンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)は、テレンス・フレッチャー教授(J・K・シモンズ)に認められ、彼が指揮する学内バンドの練習に参加することに。そこで罵倒や体罰を含む…

老舎『牛天賜物語』(1935)

老舎小説全集〈第4巻〉猫の国・牛天賜物語 (1982年) 作者:老舎 学習研究社 Amazon ★★ 裕福な商人・牛爺さんとその妻・牛婆さんには子供がいなかった。ひょんなことから2人は捨て子の赤ん坊を養子にする。その赤ん坊は牛天賜と名付けられるのだった。牛天賜の…