海外文学読書録

書評と感想

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(2016)

82年生まれ、キム・ジヨン 作者:チョ・ナムジュ 筑摩書房 Amazon ★★★★ 2015年秋。33歳のキム・ジヨンは3年前に結婚し、昨年、女の子を出産していた。夫は3歳年上で中堅のIT企業に勤めている。キム・ジヨンは1人で子育てをしていたが、あるとき、解離性障害の…

エレナ・フェッランテ『リラとわたし』(2012)

リラとわたし (ナポリの物語(1)) 作者:エレナ フェッランテ,Elena Ferrante 早川書房 Amazon ★★★ 1950年代のナポリ。貧困地域に住むリラとエレナは小学1年生のときに出会い、行動を共にするようになる。リラは暴力的な性格ではあるものの、学校の成績は抜群…

ドン・デリーロ『天使エスメラルダ』(2011)

天使エスメラルダ: 9つの物語 作者:ドン デリーロ 新潮社 Amazon ★★★ 短編集。「天地創造」、「第三次世界大戦における人間的瞬間」、「ランナー」、「象牙のアクロバット」、「天使エスメラルダ」、「バーダー=マインホフ」、「ドストエフスキーの深夜」、…

山川吉樹『ハイスコアガール』(2018-2019)

ハイスコアガール STAGE 1 (初回仕様版/1~4話) [Blu-ray] 天﨑滉平 Amazon ★★★★ 1991年。小学6年生の矢口春雄(天﨑滉平)は大のゲーム好きで、特に格闘ゲームをプレイするのを好んでいた。その彼がゲーセンでクラスメートの大野晶(鈴代紗弓)と出会い、『…

ハン・ガン『すべての、白いものたちの』(2016)

すべての、白いものたちの 作者:ハン・ガン 河出書房新社 Amazon ★★★ 白いものについて書こうと決めた「私」。不慣れな外国の首都に滞在する「私」は、生きられなかった姉、生後2時間で死んだ姉に思いを馳せつつ、雪や角砂糖や白夜など、白いものについて断…

川面真也『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』(2018/日)

劇場版 のんのんびより ばけーしょん 小岩井ことり Amazon ★★★★ 夏休み。宮内れんげらいつものメンバーがデパートに行き、福引で三泊四日の沖縄旅行を当てる。いつものメンバーは、かず姉と駄菓子屋の2人の大人同伴で沖縄へ。シュノーケリングやカヤックを楽…

スティーヴン・ミルハウザー『ある夢想者の肖像』(1977)

ある夢想者の肖像 作者:スティーヴン・ミルハウザー 白水社 Amazon ★★★ 1950年代のコネティカット州。語り手のアーサーは退屈と倦怠に塗れた凡庸な少年期を送っていた。そんななか、彼は自分の分身のような少年ウィリアムと出会う。その後、拳銃でロシアンル…

ジョナサン・サフラン・フォア『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(2005)

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い 作者:ジョナサン・サフラン・フォア NHK出版 Amazon ★★★ ニューヨーク。アメリカ同時多発テロ事件で宝石商の父を亡くした「ぼく」が、遺品から鍵を見つける。その鍵は何に使うのか不明だった。唯一のヒントは「Bla…

ケン・リュウ編『折りたたみ北京』(2016)

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (ハヤカワ文庫SF) 発売日: 2019/10/03 メディア: 文庫 ★★★ アンソロジー。陳楸帆「鼠年」、陳楸帆「麗江の魚」、陳楸帆「沙嘴の花」、夏笳「百鬼夜行街」、夏笳「童童の夏」、夏笳「龍馬夜行」、馬伯庸「沈黙都市」、…

村上春樹『騎士団長殺し』(2017)

騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon ★★★ 画家の「私」は、6年連れ添った妻から突然別れを切り出される。「私」はそれを了承して家から出ていき、友人の伝手で高名な日本画家が住んでいた山荘を借りる。ひょ…

ジョナサン・フランゼン『フリーダム』(2010)

フリーダム 作者:ジョナサン フランゼン,Franzen Jonathan 早川書房 Amazon ★★★ ミネソタ州セントポール。学生時代に女子バスケットボールの花形選手だったパティは、知性溢れる苦労人ウォルターと結婚して2人の子供をもうけていた。一家は地元の善き住人と…

チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ:韓国フェミニズム小説集』(2018)

ヒョンナムオッパへ:韓国フェミニズム小説集 作者:チョ・ナムジュ,チェ・ウニョン,キム・イソル,チェ・ジョンファ,ソン・ボミ,ク・ビョンモ,キム・ソンジュン 白水社 Amazon ★★★ アンソロジー。チョ・ナムジュ「ヒョンナムオッパへ」、チェ・ウニョン「あな…