海外文学読書録

書評と感想

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ホレス・ウォルポール『オトラント城』(1764)

[第4巻 ゴシック] オトラント城 / 崇高と美の起源 (英国十八世紀文学叢書) 作者:ホレス・ウォルポール(オトラント城),エドマンド・バーク(崇高と美の起源) 研究社 Amazon ★★★ オトラントの領主マンフレッドには、18歳の娘マチルダと15歳の息子コンラ…

サマセット・モーム『アシェンデン―英国秘密情報部員の手記』(1928)

英国諜報員アシェンデン (新潮文庫) 作者:モーム,サマセット 新潮社 Amazon ★★★★ 連作短編集。「R大佐」、「家宅捜索」、「ミス・キング」、「毛無しのメキシコ人」、「黒髪の美人」、「ギリシア人」、「パリ行き」、「踊り子ジューリア・ラッツァーリ」、「…

エミール・ゾラ『居酒屋』(1877)

居酒屋 (新潮文庫) 作者:ゾラ 新潮社 Amazon ★★★ 跛の洗濯女ジェルヴェーズは、情夫である帽子屋ランチエとの間に2人の子供をもうけていた。ところが、彼女はランチエに捨てられてしまう。その後、ブリキ職人のクーポ-に口説かれて2人は結婚。ジェルヴェー…

オクテイヴィア・E・バトラー『キンドレッド―きずなの招喚』(1979)

キンドレッド―きずなの招喚 作者:オクテイヴィア・バトラー 山口書店 Amazon ★★★ 1976年6月9日。26歳の誕生日を迎えた黒人女性のデイナは、引っ越したばかりの家から突然、河へワープする。そこで溺れていた白人の少年ルーファスを助け、また元の場所に戻る…

マリー・ンディアイ『ロジー・カルプ』(2001)

ロジー・カルプ (ハヤカワepi ブック・プラネット) (ハヤカワepiブック・プラネット) 作者:マリー・ンディアイ 早川書房 Amazon ★★★ 妊娠中のロジー・カルプが、6歳の子供ティティーを連れてカリブ海に浮かぶグアドループにやってくる。彼女はフランス本土で…

フェルディナント・フォン・シーラッハ『罪悪』(2010)

罪悪 (創元推理文庫) 作者:フェルディナント・フォン・シーラッハ 東京創元社 Amazon ★★★★ 連作短編集。「ふるさと祭り」、「遺伝子」、「イルミナティ」、「子どもたち」、「解剖学」、「間男」、「アタッシュケース」、「欲求」、「雪」、「鍵」、「寂しさ…

アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯』(1844-1846)

モンテ・クリスト伯 7冊美装ケースセット (岩波文庫) 作者:アレクサンドル デュマ 岩波書店 Amazon ★★★★★ 1815年。マルセイユの船乗りエドモン・ダンテスは、会計士のダングラールと恋敵のフェルナンに妬まれ、彼らの謀略で婚約披露の席上逮捕される。検事代…