海外文学読書録

書評と感想

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ミシェル・ウエルベック『ある島の可能性』(2005)

ある島の可能性 (河出文庫) 作者:ミシェル ウエルベック 河出書房新社 Amazon ★★★ (1) コメディアンのダニエルは世相を皮肉ったショーで一世を風靡し、さらには映画監督としても成功する。金持ちになった彼は貪欲にセックスを求めるのだった。(2) 異常気象に…

ウンベルト・エーコ『プラハの墓地』(2010)

プラハの墓地 (海外文学セレクション) 作者:ウンベルト・エーコ 東京創元社 Amazon ★★★★ 19世紀。ユダヤ人嫌いの祖父に育てられたシモーネ・シモニーニは、祖父の死後、公証人のもとで遺言書をはじめとした文書偽造の仕事をする。やがて彼は各国の秘密情報部…

オルハン・パムク『僕の違和感』(2013)

僕の違和感 上 (早川書房) 作者:オルハン パムク 早川書房 Amazon ★★★★ 12歳のときに故郷の村からイスタンブルに移住したメヴルトは、学校に通いながらヨーグルトの呼び売りをしていた。成人後、いとこの結婚披露宴に出席した彼は、ある女の子に一目惚れする…

鄭義『神樹』(1996)

神樹 作者:鄭 義 朝日新聞社 Amazon ★★★ 山西省の山村。樹齢数千年の神樹が花を咲かせた。それを機に村にゆかりのある亡霊たちが次々と現れ、過去の出来事を呼び覚ましていく。やがて村には大勢の参拝客が訪れるようになった。そこへ共産党が迷信を打破する…

エドワード・P・ジョーンズ『地図になかった世界』(2003)

地図になかった世界 (エクス・リブリス) 作者:エドワード P ジョーンズ 白水社 Amazon ★★★★★ 19世紀のヴァージニア州マンチェスター郡。黒人農場主のヘンリー・タウンゼントが31歳で急死する。彼は両親ともども白人農場主の元奴隷で、父親が貯めた金で自由に…

ミシェル・ウエルベック『服従』(2015)

服従 (河出文庫) 作者:ミシェル・ウエルベック 河出書房新社 Amazon ★★★★ 2022年。大学教授でユイスマンスの専門家であるフランソワは、愛人とセックスをする平穏な生活を送っていた。ところが、選挙でイスラーム同胞党が躍進したことで周囲が慌ただしくなる…